中日の2年目西川健太郎投手(20)が故郷に錦を飾る。17日、26日阪神戦(金沢)での先発が内定した。石川で生まれ育ち、同県の強豪・星稜出身の西川に特別な舞台が用意された。「まだ1勝もしていないので、何とか地元で初勝利を」と今季初先発でプロ初勝利を目指す。

 虎狩りへ、若武者の抜てきだ。明日19日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦(雁の巣)をステップに、中6日で登板に備える。この日の練習前に2軍首脳陣から26日の先発を告げられた。ご当地選手を大事にしファンのため積極的に起用するのが高木監督の守道流だが、指揮官は「地元だと逆に投げにくいんじゃないか」と二十歳の右腕のプレッシャーを心配していたという。2年目を迎えたくましくなった西川は「チャンスをもらった」と、気合十分。若い力、可能性は無限だ。

 高卒1年目の昨季は1軍で3試合に登板した。同じ北陸シリーズの広島戦(富山)でプロ2試合目の登板を果たし、9月の阪神戦(甲子園)で初先発。勝利はならなかったが5回1失点と好投した。虎狩りまでいかずとも、仕留めかけた“実績”がある。

 ウエスタン・リーグでは完封含む2連勝中で、15イニング連続無失点と好調を持続している。先発陣は吉見、カブレラらを故障で欠きやりくりが苦しい。リーグ再開のキーマンとして大きな期待を背負う。家族はもちろん、同級生や後輩も「ナイターなので来てくれるかもしれません」。完全なる“ホーム”でプロ初勝利を目指す。【八反誠】

 ◆西川健太郎(にしかわ・けんたろう)1993年(平5)4月18日、石川県生まれ。星稜中では軟式野球部に所属し3年夏にエースとして全国制覇。星稜高に進み1年秋からエース。甲子園出場経験はなし。11年ドラフト2位で入団。背番号32。184センチ、73キロ。右投げ右打ち。