えっ?

 先発の救世主はセットアッパー田島!?

 中日高木守道監督(71)が26日、1軍では先発未経験の田島慎二投手(23)を来月2日からの広島3連戦中に先発起用するウルトラCプランを明かした。同カードの先発候補には、2年目辻孟彦投手(23)も入っているとみられ、起用ならこちらもプロ初先発になる。

 中日高木監督の口から思わぬ選手の名前が出てきた。「先発が足りない?

 田島が先発だよ。後ろで悪いヤツは頭や」。来月2日から始まる広島3連戦(豊橋、ナゴヤドーム)で2軍調整中のセットアッパー田島を先発させようという仰天計画。取り囲む報道陣は冗談だと思って苦笑いだったが、71歳指揮官の目はマジだった。

 発端は前日25日だった。阪神7回戦(富山)に先発したブラッドリーが右手人さし指の腫れを訴え、1回を投げ終えたところで降板。吉見、カブレラと先発ローテの主軸が次々と戦線離脱する苦しい台所事情に拍車が掛かった。一方、富山から400キロ近く離れた神戸のウエスタン・リーグ、オリックス戦(神戸第2)でプロ初先発の田島が、5回1安打無失点と好投。こりゃ、いいね!

 となったわけだ。

 「先発田島」は全力で腕を振る本来のスタイルを取り戻すための限定登板だったはず。それが思わぬ方向に展開した。今中コーチは昇格候補と考えられる2軍の山内、岩田について「代わり映えせんやん」とバッサリ。「田島なら新鮮やし、あいつらも『えっ』ってなるやろ」と、ショック療法の要素があることを明かした。

 「2年目右腕トリオ」が広島3連戦にそろい踏みする可能性がある。この日、登板予定だった西川は調整がスムーズに進む1週間後、7月3日の先発が濃厚。では田島、西川に次ぐ最後の3人目は?

 同コーチは「練習見とったらわかる」と話すにとどめたが、2軍で先発経験のある中継ぎの辻が候補とみられる。辻は「言われたところでしっかり投げられるように準備したい」と引き締まった表情で話した。プロ初先発の田島、辻はもちろん、西川も先発未勝利。同期3人組が苦しむ守道竜の光になるかもしれない。【桝井聡】