<オリックス0-1楽天>◇15日◇京セラドーム大阪

 森脇オリックスでも、負の歴史を塗り替えられなかった。8回までスコアレスの展開が続いた。9回裏のサヨナラ勝ちを地元のファンは信じたが、結末は違った。楽天枡田に決勝ソロを打たれ、万事休す。前半戦の残り3試合を全勝すれば、貯金1という青写真も消えた。勝率5割復帰の可能性さえも消滅し、12年連続の借金ターンが確定した。

 森脇監督

 いろんなゲームスタイルがある。モノにできるか試された。勝ち負けには必ず原因がある。

 岡田前監督でもチームの体質を変えることはできず、新体制でも勝負どころの脆さが目立つ。首位とは、まだ7・5ゲーム差だが、数字以上に距離がある。前日14日のソフトバンク戦では、守護神の平野佳でサヨナラ負け。この日は好投を続けてきた佐藤達也投手(26)が被弾し、今季初黒星。指揮官は失点の形が気に入らなかった。「終盤になれば、何に気をつけなければならないか。繊細さに欠けると、去年までの楽天と違うのは明らか」。枡田に対し、2球目から3球続けて直球勝負のバッテリーに不満顔。

 7回裏1死一、二塁では代打T-岡田で勝負をかけたが、あえなく捕邪飛に倒れた。苦境を打開する力が、チームにはまだ十分ではない。これで首位楽天には2勝9敗で完全に「カモ」にされている。混戦のパ・リーグで再び借金を抱えるただひとつの球団になった。「現実を受け止めて、戦っていきたい」。きょう16日は難攻不落の田中が相手。先頭集団に離されないためにも、今が正念場だ。【田口真一郎】

 ▼オリックスが02年以来12年連続して前半戦負け越しが決まった。この間後半戦に盛り返しAクラス入りは08年(2位)の1度だけ。現在首位とは7・5差、CS圏の3位までは4差。巻き返しなるか。