<オリックス5-1日本ハム>◇24日◇京セラドーム大阪

 日本ハム大谷翔平投手(19)が口元をきつく結んだ。2点ビハインドの8回2死二塁、右翼線への飛球にチャージしたが、ワンバウンドした打球に伸ばしたグラブは届かなかった。頭上を越えた打球は、試合の行方が決定的となる適時三塁打となった。走者はスタートしており、捕球しても本塁はセーフ。攻めた守備が裏目に出ただけだが「待っていたら間に合っていなかった。でも結果的にダメだったプレーかなと」と自分を責めた。

 決意の一戦だった。試合前に栗山監督と面談し、22日の球宴第3戦(いわき)後の行動について忠告を受けた。翌日は大阪への移動休日だったため、中田、阪神藤浪ら他球団選手を交えて会食した。だが、二刀流に挑戦するにあたって2人の間では入団時から「外出規制」の約束があった。「2つやることの大変さを考えたら、何をやらないといけないか」などと諭され、今後は休息を優先する選択肢もあると提言を受けた。

 大谷もその思いを理解し、グラウンドに立った。「基本的にどこにでも行かないのは変わらないですけれど、しっかり確認しようということ」。4回には技ありの中前適時打を放つなど、初対戦の金子から複数安打をマークした。山あり谷ありの難しいチャレンジを象徴するような1日になった。今日25日も野手で先発出場の可能性があり、投手では30日のロッテ戦で先発予定。大谷が戒め、また二刀流ロードを仕切り直す。【高山通史】