<ロッテ5-2オリックス>◇16日◇QVCマリン

 マー君待ってろ!

 2位ロッテが得意の逆転勝利で、オリックス3連戦に先勝した。前日15日までの首位楽天との3連戦に勝ち越し、ゲーム差は5・5。虎視眈々(たんたん)と逆襲を狙う。伊東勤監督(50)のシナリオでは、23日から敵地仙台での楽天3連戦がヤマ場。23日登板予定の楽天田中に土をつけての3連戦3連勝を狙っている。右肘痛で離脱した井口も復帰。逆襲の態勢は整った。

 「逆転のロッテ」が戻ってきた。1点先制を許した1回だ。2死二塁から4番今江が同点打、続く5番角中は勝ち越し打。さらにブラゼルが2ランだ。あっという間に4点を奪う逆転劇。伊東監督は「昨日まで首位攻防戦で、気持ちの入ったゲームの後。ぽっかり穴があくこともある。いい集中力で戦ってくれた」とナインをたたえた。

 主軸も戻ってきた。右肘痛のため、前日までの楽天3連戦を欠場した井口が復帰。3連戦で代役3番だった角中が5番に座り、初回に決勝打を放ったのも、井口復帰と無関係じゃない。伊東監督も「ずっと3番でしたからね。(無安打で)結果は出なかったけど、チームを救ってくれると思います」と頼もしそうに言った。井口も「感じはいいですので、大丈夫」と完全復帰を強調。中心が戻った打線は機能する。

 逆襲のシナリオ通りだ。8月3日、ほっともっと神戸のオリックス戦前。炎天下に映える芝生を眺め、伊東監督は「楽天には仙台で3連敗させないと。本拠地の3連敗は、ダメージ大きいんだ。(次回は)しかも、田中の投げる金曜日も入っている。田中を破っての3連勝、したいなあ」と夢を語るように言った。

 その2カード前、7月26日からの楽天3連戦は仙台で3連敗を喫した。初戦は田中だった。2-1とリードして迎えた9回裏、2点を失いサヨナラ負け。完投した田中に14勝目を献上した。田中に黒星を付ける最大のチャンスを逃し、そのまま3タテを食らった。受けた屈辱は倍にして返す。伊東監督は「そこまで、挑戦権を持つように食らい付いていきたい」と、今月初旬から、23日からの楽天戦を見据えていた。そして、その言葉通りに、以来4カード連続で勝ち越している。

 好材料は打線だけじゃない。5回に唐川を降板できるのも、救援陣が好調だから。「ブルペン陣が安定しているから、序盤に失点しなければ何とかなる。あいつ(6回登板の内)がいてくれて助かります」と信頼を置く。先発5人制の中、来週金曜の23日も唐川先発かという質問を、伊東監督は「まだ考えてないよ!」と遮った。だが「マー君だったら気持ち入るよな」とニヤリ。投打の粘りも役者も戻った。打倒マー君の態勢は整った。【金子航】

 ◆楽天とロッテのゲーム差

 開幕直後を除くと、ロッテが首位に立った5月9日以降、楽天との最大ゲーム差は4。7月4、5日は両チームが同率首位。同6日に楽天が単独首位に立って以降は、8月6日に最大7・5差がついていた。