<オリックス0-3日本ハム>◇25日◇京セラドーム大阪

 日本ハム打線の中心に、ようやく「H」がともった。3回2死一、二塁の好機に、骨折で離脱した中田に代わって4番を務めるミチェル・アブレイユ内野手(34)が、左翼線へ2点適時二塁打を放った。「打点を稼ぐことが求められている。今日の1本は自分にとっても大きい」。13打席ぶりの安打。表情は、自然とほころんだ。

 結果が出ずに、いらだちは募った。23日のオリックス戦では、ストライクの判定を不服として審判に詰め寄り、ベンチから駆け寄った栗山監督からなだめられる場面もあった。

 スイングを撮影したVTRをチェックするのは日課だが、自身では気がつかなかったポイントを周囲から指摘された。「左肩が開きすぎている」。すぐに打席で実践し、結果へとつなげた。「しっかりと修正ができた。ありがたいアドバイスだった」と周りに感謝した。

 2カ月近く勝利のなかった吉川が白星を手にし、4番に待望の適時打が生まれた。栗山監督は「みんなでつないで、少ない得点を守ってという、やっとそういう形になった。さあここから、だよね」。復調したアブちゃんのバットが、チームをさらに上昇気流に乗せる。【本間翼】