<日本ハム1-0西武>◇29日◇札幌ドーム
日本ハム小谷野栄一内野手(32)が同一カード3連敗の危機を救った。4回1死一、二塁で、貴重な左前先制タイムリーをたたき出した。前日は好機を生かせずブレーキとなったが、この日は3打数2安打と結果につなげ、主砲中田不在の打線で1人気を吐いた。チームはこの1点を守りきり、借金を再び2に減らした。
ひりひりした投手戦の均衡を破ったのは、ベテランが放った汚名返上の一打だった。4回1死一、二塁。小谷野は、西武岡本洋の初球を迷いなく振った。「シュート系かな?
ツーシームを狙ってました。前の打者を四球で歩かせた後だったので、併殺を取りに来ると思って」。動く球で内野ゴロを狙った相手バッテリーを見透かしたように、内角高めの速球を引っ張った。先制の適時打で生んだ1点が、終わってみれば唯一の得点。3年前の打点王の意地だった。
1点差負けを喫した前夜の試合は、無死三塁で遊ゴロ、無死一塁で併殺打とチャンスをつぶした悔しさがあった。「昨日の後だったので、うれしく思う」。この日のスタメン野手の中でアブレイユに次いで上から2番目の年長者は、どっかりベンチに座りながらも汚名返上の時を待っていた。
昨オフに右肘を手術。2度目だった。春季キャンプを2軍で過ごしながらも、確信があった。「絶対に若いやつには負けないから。あれだけチャンスをもらっているのに、何で生かせないのか。僕が若い時は、チャンスはもらうものじゃなくて、つかみ取るものだった」。1軍キャンプに呼ばれて満足しているようでは、いけない。2軍で一緒に汗を流す高卒2年目の松本ら若手に、そう説いた。
小谷野のおとこ気に1番ほれ込んでいるのは、おそらく骨折で離脱した中田だろう。今日30日から2軍でのリハビリを開始する弟分へ「あいつが戻ってきた時に、まだ(消化試合ではない)試合がある環境を作ってあげたい。僕らは信じて待っている」と力強いメッセージを送った。投打が一丸となっての勝利に「(翌日以降も)今日みたいに必死になって取りにいくだけ」と栗山監督。負けられない戦いが、続く。【中島宙恵】



