<ヤクルト9-12DeNA>◇31日◇神宮
55号を目指すヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)は、さすがだった。4回2死三塁。1ボールからDeNA井納のスライダーを2球続けて空振り。だが、カウント2ボール2ストライクからの外角144キロ直球に大振りせず、コンパクトに中前へ運んだ。「本塁打を期待されているのは分かっているが、チームとしてはランナーをかえしてほしい場面」とチーム優先の打撃を見せた。
集中力を切らさなかった。プロ野球記録の55本塁打まで残り3本とした前日8月30日の試合後、小川監督は「これからは厳しいところを攻められ、四球がついて回る。いかに我慢できるか」と話した。バレンティンは、四球が続くと気分を乱す危険があった。
この日は違った。第1打席で147キロ直球が顔面付近を通過。そのうえ2打席連続四球。イライラするそぶりこそ見せたが、グッと耐えた。「考えすぎずに集中力を保つことが大事」との姿勢を実践し、3打席目の適時打につなげた。結局1発こそ出なかったが、2安打2四球1打点。それでも大逆転負けを喫し、試合後は「ゴメンナサイ」と話すのが精いっぱいだった。
試合前、バレンティンは「自分が投手ならバレンティンと勝負するか」と聞かれ「オフコース」と即答した。「記録を破らせてあげたいからね」と日本記録を意識しつつ、チーム打撃にも徹することができる一面もみせた。【浜本卓也】



