<楽天0-0西武>◇4日◇Kスタ宮城

 延長12回を0-0の引き分けに終わり、楽天は優勝マジック再点灯こそ逃したが、収穫があった。先発美馬学投手(26)が8回5安打無失点。最速146キロの直球には力があり、低めに集めたカーブは効果的だった。星野監督は「今年一番良かったんじゃないか。ここに来て、あれだけの球を投げられれば頼もしい」と目を細めた。

 課題解消の望みとなりそうだ。首位を快走するが、田中(19勝)、則本(12勝)に続く先発3番手が決まらない。昨季8勝の美馬は、右肘痛で5月末に登録抹消。7月末に1軍復帰したが、思うような投球ができていなかった。星野監督は「勝たせてやりたかった。勝てば、また違っただろう」と悔やんだが、3カ月半ぶりに白星を挙げた前回8月28日に続き好投した。もちろん、まずはリーグ優勝だが、その後の短期決戦を思えば、計算できる先発が1枚増える意味は大きい。

 確かに、好機で1本出れば勝てた。12回まで戦い、星野監督が「これから(10~19日に)10連戦もある。投手は使いたくない」とボヤいたのも、無理はなかった。ただ、2位ロッテが敗れ、ゲーム差は4・5に広がった。マジックはつかなくても、初優勝へ挑む雰囲気は変わらない。

 前日3日には、球団が「挑戦」と胸にプリントされたTシャツを配布。選手やコーチが練習中に着用し、球団職員も着て試合準備を進める。一体感が演出された。また、球場や仙台の町中に、星野監督と主力選手が人さし指を胸の前に突き出し「1番」と示すポスターが登場。写真は今春キャンプで撮影されたものだった。秋になって優勝争いをしていれば使う計画だったが、その通りの展開になっている。

 会見で、星野監督は「なかなか思うようにいかないのが野球であって、人生だろう」とも言った。だが引き分けに終わっても、大きな目標がある楽天に徒労感はなかった。【古川真弥】