<DeNA5-4広島>◇6日◇横浜

 DeNAが守備から流れを引き寄せ、3位を射程圏に捉えた。押し出し四球で先制点を献上し、なお2死満塁の1回。広島木村の三遊間への鋭い打球を中村が横っ跳びで止め二塁封殺。「僕のやるべきことが出来た。相手の勢いを止めて、いい流れを作れたね」。最少失点で食い止めたベテランの好守が、逆転劇の下地を作った。

 中畑清監督(59)は試合前、こう言った。「レベルの高い緊張感の中でどれだけのプレーが出来るか。ここで結果を出すことが成長の証し」。5年連続最下位に沈み、ほとんどの選手が経験のないCS争い。その未知の世界での戦い方を示したのが、中村であり、7回に代打で貴重な3ランを放った後藤だった。友利投手コーチは、「厳しい戦いを経験しているノリ(中村)であり後藤は、生き生きとプレーしていた。雰囲気にのみ込まれないメンタルに助けられた」と感謝した。

 これで中日と並ぶ4位に浮上し、3位とは2ゲーム差。中畑監督は「明日取らないと何の意味もない」と、前夜と同じ言葉で会見を締めた。先発不足の中、成長の証しをいかに見せられるか。勢いだけではない、チームの真価が試される。【佐竹実】