<阪神8-4巨人>◇6日◇甲子園
やっと勝てた。7月9日中日戦を最後に約2カ月も遠ざかっていた白星に、阪神能見篤史投手(34)の表情も自然と和らいだ。クラブハウスへと続く通路。喜びを隠さなかった。
「うれしい、うれしい。本当にうれしいよ」
7回2失点の力投で、前回屈した巨人に仕返した。走者を許しながらも、粘りの投球で決定打を許さない。丁寧に、丁寧に投げた。7イニングながら、球数は120を数えた。「1人1人抑えないといけなかったんで、だいぶボールを費やしたね」。
4回には高橋由に左翼越え2ランを浴びたが、ズルズルと引きずることはなかった。7回、大量6点のリードをもらいながらも、1死一、二塁のピンチ。クリーンアップまで回る打順だったが、2番の亀井を併殺打に仕留めた。主軸につながる打順をぶった切り。リリーフにあとを託し、険しい表情でベンチからグラウンドを見つめた。
7試合ぶりの勝利。6回以上を投げ、試合をつくりながら勝てない日が続いた。前回登板した東京ドーム。8月29日巨人戦では、1点差の9回に追いつかれ、途中でマウンドを降りた。ベンチに戻るとグラブをたたきつけ、悔しさをあらわにした。
屈辱を味わった相手に、すぐさまやり返せた。自身も納得の勝利だ。「しっかり腕を振ることができた。ボールの走りも悪くなかった」。誰よりも勝つ喜びに飢えていたエースが、自らの手で大きな活力を手にした。【山本大地】



