中日の球団フロントが主力選手と事実上の下交渉となる「進退面談」をスタートさせた。13日、西脇編成担当がナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」を訪問し、2軍調整中の荒木雅博内野手と面談した。この日、36歳の誕生日を迎えた荒木と1時間半話し込んだ西脇編成担当は「たくさん話をしないといけない選手がいるから」と説明。すでに数人の主力選手とは面談を終えた。

 昨季はフロントが山本昌、山崎、岩瀬らベテラン陣をホテルの一室に呼び、話し合いの場を持った。「引退」もタブー視しない「引き際面談」で、ざっくばらんに意見をぶつけた。今年も流れを受け、シーズン終盤に面談を実施。後の契約交渉につながる進退や契約内容にまで踏み込んで話し合う可能性もある。主力にベテランが多い中日ならではの行事だ。

 08年に5年契約を結んだ荒木、井端、森野の3人と、10年に3年契約を結んだ和田の契約がそろって切れるという事情もある。西脇編成担当は「契約がどうとかという話はしてないが、選手がどういう考えをしているか聞かないと失礼」と話した。選手の言い分を聞いた上で交渉の席に着く。

 高木監督が今季限りで退任し、来季体制は未確定。来季布陣も不透明ながら、中核をなす選手ががらりと変わることはない。中心選手と対話を重ね、来季編成の基準とする。【桝井聡】