<ヤクルト9-0阪神>◇15日◇神宮

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、シーズン56本塁打のプロ野球新記録を樹立した。

 バレンティンが放った56号本塁打は、試合観戦に遅れて来た阪神ファンの男性から、本人の手に戻った。

 神宮球場とヤクルト球団はこの日、日本記録更新のメモリアルボールとファンの安全の確保のため、普段の30~40人増しのスタッフをスタンドに配置。ボールの落下点へ球場スタッフが即座に駆けつけられるよう態勢を整えた。56号がスタンドに飛び込むと、スタッフが駆けつけ、ファンからボールを受けとった。

 球場関係者によると、56号が放たれた1回裏の攻撃中、本来は阪神ファンで埋まっているはずの左翼席に、ヤクルトの応援ジャージーを脱いで、紛れ込んだファンも多数いたという。

 スタンドに入った試合球は誰のものか。神宮球場事務所によると、所有権について明確なルールはないが、同球場ではファウルボールも含め、スタンドに落下したボールはファンのものとしてきた。ただ、例外的に、初本塁打や記録絡みの記念球の場合には、球団側がファンにお願いする形で、ボールの提供を受けることもある。拒まれればボールは返ってこないが、今回も、混乱もけが人も出さずにスムーズに確保できた。