オリックスがオリオールズ傘下3Aでプレーする和田毅投手(32)の獲得に興味を示していることが20日、明らかになった。近日中にも本格調査に乗り出す。和田は11年、FAでソフトバンクからメジャーに移籍。12年5月に左肘靱帯(じんたい)再建手術を受け、今季から復帰したがメジャーでの登板はない。球団関係者は「注目している。左の先発はどこもほしいだろうし、戻ってくるとなれば動かないといけない選手」と興味を示した。

 日本球界復帰となれば争奪戦は必至だが、人脈がある。今オフからGM級のポストに就くことが決まっている瀬戸山球団本部長補佐とは、02年ドラフトで自由獲得枠で入団して以来の付き合いで、2年目続投が決まっている森脇監督ともダイエー時代からの関係。強固な関係とフロントのバックアップが後押しする。

 補強ポイントとも合致する。現状の先発ローテーションの左腕は4年目の前田と、ルーキーの松葉のみ。ベテラン井川は日本復帰後は故障続きで、シーズン中に獲得したミルズはいまだ1軍登板がない。日本通算107勝を挙げた和田は願ってもない存在だ。

 和田は2年契約の2年目。3年目は球団に選択権があり、メジャー契約で残留する可能性は低い。本人の意思次第では日本球界復帰の可能性もある。別の球団関係者も「獲得するなら肘の状態を含めてしっかり調べないといけない」と話した。本社50周年を迎える来季へ向け球団も大規模な補強に乗り出す。和田の今後の動向に目を光らせる。

 ◆和田毅(わだ・つよし)1981年(昭56)2月21日、島根県生まれ。浜田-早大。02年ドラフト自由獲得枠でダイエー入団。1年目に14勝を挙げ新人王。10年には17勝でリーグMVP。11年オフ、2年総額815万ドル(当時約6億1000万円)でオリオールズ入り。12年5月に左肘靱帯再建術を受けた。今季は3Aで19試合に登板し5勝6敗、防御率4・03。日本通算107勝61敗。179センチ、77キロ。左投げ左打ち。