3年ぶりのBクラスが確定した日本ハムが、一部主力選手の粛清に乗り出すことが29日、分かった。今季成績不振の高年俸選手の条件を見直し、軒並みダウン提示を通達する見込み。投手ではエース武田勝投手(35)ら、野手では稲葉篤紀内野手(41)と金子誠内野手(37)のベテランのほか、小谷野らが対象となっているもようだ。厳冬更改からチーム編成を再構築し、来季の立て直しを図る。

 日本ハムが、一部主力のコストパフォーマンスの本格検討に突入した。28日オリックス戦に敗れ、クライマックスシリーズ進出を逃すことが決定。10月6日の西武戦(札幌ドーム)で今季公式戦が終了し、オフがスタートするが、高年俸選手の条件の見直しに着手することが判明した。球団幹部は「(年俸が)上がる選手ももちろんいるが、下がる選手も出てくる」と断言した。客観的かつ厳しい姿勢で、来季の契約更改に臨むことになりそうだ。

 パ・リーグを制覇した昨季を含め、近年の躍進の功労者たちが対象になりそうだ。ダウン必至なのは、既に出場選手登録を抹消されている投手では武田勝、野手では兼任コーチの稲葉。チームトップ2億4000万円の武田久に次ぐ、推定年俸2億円コンビにはシビアな数字が突きつけられることが濃厚だ。球団幹部はかねて「しっかりと見合った活躍、貢献をした選手には適正な条件を提示している」と話す確立した査定システムを基に、ジャッジする。

 武田勝はシーズン2ケタ勝利が4年連続で途切れ、今季は8勝止まり。開幕戦では負傷して約1カ月間、戦列を離れた。稲葉は出場したWBCの影響もあり、開幕から不振を極めた。昨季まで9年続けてきたシーズン100試合以上出場も今季でストップ。控えに甘んじることも多く、91試合出場で打率2割3厘に終わった。金子誠、小谷野も減俸が確実とみられ、ほかにも多数出る可能性がある。新外国人投手の獲得資金など一定の上限を決めている総年俸は、来季のチーム強化の根幹を担う。一部選手にはV逸、Bクラスの現実を直視する数字が示される。