中日が来季新監督候補の1人としてリストアップしていることが判明した前監督の落合博満氏(59)について、白井文吾オーナー(85=中日新聞会長)が9月30日、変わらぬ高い評価を口にした。名古屋市内で取材に応じ、監督としての落合氏の評価を問われ「そりゃ力を持ってる人だと思うよ」と笑みを交えてコメントした。03年オフに自ら招聘(しょうへい)に動き、8年で4度のリーグ制覇と53年ぶり日本一を導いた名将の退任後も、手腕に心酔していることをうかがわせた。

 中日の次期監督に落合氏が浮上していることが報じられたことに、白井オーナーは「せっかく書いたものをどうだこうだとは言わない。否定も肯定もしない。ちゃんと理由があって書いてるわけだからな。もちろん(他の候補者)全部に可能性がある」と慎重に言葉を選びつつも、候補に挙がっていることをにおわせた。

 一方で、球団フロント陣は一様に言葉を濁した。坂井球団社長は「監督問題については私はコメントしません」と質問を受け付けず。西脇編成担当は新監督選びについて「オーナーが一貫して“まだ動くな”と言っている以上何もない。10月5日の最終戦が終わってからではないか」との見通しだけを語った。監督選びはオーナーの専権事項でもあり、首脳も総帥の腹の底を測りかねているようでもあった。今後は複数挙がっている他の候補とともに、絞り込み作業を進めることになる。候補に浮上した落合氏が復帰し、再び常勝軍復活の道を目指すのか。新監督決定には、まだ少々時間を要しそうだ。