中日前田章宏捕手(30)が現役を引退することが2日、分かった。この日、名古屋市内の球団事務所で来季の契約を結ばないことを伝えられた。12年目前田は「今日言われたばかりなのではっきりしたことは言えない」と話しつつ「やりきったという気持ちはある。1位でとってもらって恩返しできなかったことが申し訳ない」と一線から身を引く考えを明かした。

 前田は地元の中京大中京から中日の正捕手候補として01年ドラフト1巡目で入団。野球に対する熱心な姿勢と温厚な人柄で多くのチームメートから慕われた。一番の思い出を問われると「岩瀬さんにかわいがってもらったので」としんみり。マスクを被り岩瀬の日本記録286セーブを演出した11年6月12日楽天戦を挙げた。通算成績は12年間で54試合に出場して43打数3安打。球団側からはスタッフとしての採用を打診された。