<楽天1-2西武>◇5日◇Kスタ宮城

 西武涌井秀章投手(27)が9試合連続登板で、最後を締めた。1点リードの9回に登板。1死からマギーに四球を与えたが、後続を安定感のある投球で抑えた。5日連続での連投で、全てセーブをマーク。3連投以上の連投を極力避ける考えを持つ渡辺監督も「頭が下がるというところ。終盤のゲームの中で、本当に安定したピッチングを見せてくれている」と最敬礼だった。

 「ここまできたら、フル回転で頑張ります」。涌井本人は、ケロッとした様子で先を見据えた。今季は開幕から先発に再転向したが、不調もあって、中継ぎ、そして守護神へと配置転換。自分自身、先発ローテの柱としてフル回転する覚悟だっただけに、雪辱の思いでマウンドに上がる。残りは2試合、そしてCS。大舞台で無類の強さを見せる男が、最終回のマウンドに君臨する。【久保賢吾】

 ▼涌井が9月25日楽天戦からチーム9試合に連続登板。連投のパ・リーグ記録は72年佐藤(南海)の11試合だが、西武で9連投は西鉄時代の58年9月20日~10月2日稲尾の球団記録に並んだ。10月1日からの5試合はすべてセーブを挙げ、「5日連続セーブ」は01年5月25~30日小林雅(ロッテ)の6日連続、96年6月26~30日佐々岡(広島)98年8月19~23日大塚(近鉄)12年5月9~13日青山(楽天)の5日連続に次ぎ5人目で、西武では初。9連投で稲尾はチームを逆転優勝へ導いたが、涌井はチームを4位からCS出場へ導いた。