DeNAが1軍コーチ陣の大幅刷新を進めることが7日、分かった。高木豊チーフ兼打撃コーチ(54)波留敏夫打撃コーチ(43)友利結投手コーチ(46)が今季限りで退団する方向で、ヘッドコーチ格の二宮至野手総合コーチ(59)が2軍監督へ配置転換される見込みだ。主要ポストを再編し、来季3年目を迎える中畑DeNAが再出発を図る。

 脱Bクラスへ、DeNAが主要ポストのコーチ陣刷新に乗り出した。1軍では二宮、高木、波留、友利各コーチの顔ぶれが変わることになりそうだ。

 今季はブランコ、モーガンの助っ人が加入した打線を前面に押し出し、打ち勝つ野球で6年ぶりに最下位を脱出。シーズン終盤までCS争いに加わってきた。その一方で、近年の課題であった投手力アップは進まず。チーム防御率はリーグワーストの4・50(7日時点)と低迷を脱することができなかった。

 巻き返しには、投手陣の立て直しが急務であることから、球団は指導者のてこ入れが必要と判断。友利投手コーチと来季の契約を結ばない方針を固めたとみられる。同コーチはシーズン中から一貫して「投手が打たれれば、送り出した自分に責任がある」と、就任2年間で立て直しきれなかった責任を口にしていた。

 好調の打撃部門でも、高木チーフ兼打撃コーチ、波留打撃コーチの退団が濃厚だ。Aクラス入りを果たすには、より確実に1点を奪う野球が必要不可欠。今季143試合で併殺打112はリーグで2番目に多く、盗塁数54はリーグ最少。機動力やチーム打撃を徹底する意味もあり、あえて刷新を図る。波留コーチは7月に池田球団社長と激しく口論に及んだことが判明。その直後に「ファンの皆さん、チームに迷惑をかけて申し訳ないと思う」と話しており、トラブルへのけじめという背景もあるようだ。

 今季ヘッド格の野手総合コーチを務めた二宮コーチは、2軍監督に配置転換されることが有力だ。2軍では、すでに高木チーフ打撃コーチ、中根外野守備コーチの退団が決定。現在の山下2軍監督には、来季からフロント入りが打診されている。中畑監督と駒大同期だった二宮コーチが同ポストを務めることで、若手強化だけでなく、2軍とのコミュニケーションをより図る狙いもあるとみられる。

 それぞれの後任ポストは、急ピッチで人選を進めている。投手コーチ、打撃コーチとも2軍からの内部昇格を軸に、外部からの招聘(しょうへい)も含めて検討しているとみられる。続投が決まっている中畑監督はこの日、「来季はクライマックスシリーズに行かなきゃいけない。奇跡を起こしたい」と強い決意を示した。今季逃したCS進出に向け、まずは足場をしっかりと固める。