日本ハム中田翔内野手(24)の三塁挑戦プランが今秋から本格スタートすることが7日、分かった。6日に今季公式戦が終了し、9日から2軍の千葉・鎌ケ谷で秋季練習が始まる。メンバーに選ばれている中田の外野手は封印され、三塁手に専念して来季へ再出発する方針だ。球団側は来季から「4番・三塁」で起用する構想で、実現へ向けて早期着手する。

 中田が早速、雪辱の秋から転身することになった。最下位に終わり、出直しを期す秋季練習から慣れ親しんだ左翼に別れを告げ、三塁手として来季へ向けて再始動する。球団幹部は「三塁手として練習してもらうことになる。その予定で進めている」と、専念させる方向性であると説明。新人だった08年に挫折したポジションで、来季レギュラーどりへ動きだすことになった。

 長いオフを有効活用し、新たな道を模索する。11月上旬には新生・侍ジャパンの代表入りが濃厚。現在の左翼手、または一塁手での選抜が濃厚だが、球団側は三塁手としての育成に早期着手を決定。9月中旬には中田本人に既に転向案を通達している。栗山監督と球団側の強い希望がきっかけで当初、やや難色を示していた中田も現在は理解。双方で納得しているだけに、秋季練習から踏み切ることが最速の近道と判断した。

 いまだ左手第5中手骨の亀裂骨折は完治していないため見切り発車になるが、水面下で準備を整えている。鎌ケ谷でのリハビリ中には後輩から内野手用のグラブを借りてノックに参加。居合わせたベテラン金子誠から捕球、送球の体勢をつくるためのステップのレクチャーを受けるなど、自覚十分に備えてきた。

 外野手以上にリーダーシップを発揮しやすいのが内野手。球団側は次代の精神的支柱として育成したい狙いもある。今日8日までの2日間の休日を経て、サード中田へと生まれ変わる試練のオフが始まる。

 ◆中田の守備位置

 大阪桐蔭時代は投手、一塁、外野をこなしてきたが、プロ1年目の08年春季キャンプから三塁に挑戦。本拠地デビューとなった3月5日のオープン戦(対ヤクルト)は三塁で出場。2軍戦では三塁中心も、状況に応じて一塁との併用だった。09年は、2軍で三塁もこなしたが、デビューを果たした1軍での先発出場は左翼と一塁のみ。10年から本格的に左翼兼一塁手となった。昨季まで2年連続で外野手のリーグ最多補殺を記録。