楽天のCS勝ち抜きの秘策は「いつも先発はマー君だと思え」だ。先月26日の優勝後は2勝5敗1分けと負け越し。星野仙一監督(66)は「優勝で達成感が出てしまっている。まだ達成していないのに」と、17日からのCSファイナルステージを前に危機感を募らせた。優勝後の2勝は、どちらも田中が先発だった。田中以外の先発では勝てない理由として「(田中)将大が投げる時のような緊張感がない」と、攻撃陣に注文を付けた。

 データも明らかだ。今季、田中の先発試合の平均得点は5・85点。これが、田中以外の投手が先発だと4・02点と下がる。連勝記録を続けた田中を負けさせられない、という思いが攻撃につながっているとも考えられる。星野監督は「全員、投手の名前を『田中』にしようかな」。改名指令は冗談としても、12、13日のレギュラーシーズン残り2試合について「絶対、勝ちにこだわる」と力説した。ラスト2試合に田中は登板しないが、連勝で勢いを取り戻してCSに入る。