ソフトバンクが、今季でオリックスとの2年契約が終了する李大浩内野手(31)の獲得調査に本腰を入れることが分かった。11日、ヤフオクドーム内で開いた編成会議でも「国内外国人」の候補に挙がったとみられる。故郷の韓国・釜山まで1時間弱の地の利があり、資金面はもちろん、背番号「10」の用意も可能。残留交渉を見守り来月アタックの下準備をする。

 会議前、王球団会長は秋山体制初のBクラス4位に沈んだ今季を反省し、補強ポイントの1つを挙げた。「残念ながら外国人という意味ではまったく機能しなかった。とにかくポイントゲッター」。日本で実績を積み計算できる「国内外国人」に関して「うちは今までそういう選手が少ない。これから幅広く考えないと」。会議は6時間を超えるほど白熱。V奪回へ危機感がにじんでいた。

 投手中心に助っ人候補を映像で確認したが、補強リストには、今季でオリックスとの契約が満了する李大浩の名前もある。昨年来日した韓国の3冠王は2年連続で24本塁打、91打点、今年は打率3割3厘と安定した働きをみせた。「国内組」で適応リスクが小さく、魅力的な長距離砲だ。

 今季は先発ローテーションに加え、4番の確立にも苦戦。ペーニャ、ラヘア、松田、柳田、そして最後は内川が務めた。ペーニャは退団濃厚で、ラヘアは来季、2年契約の2年目。候補になる李大浩と一塁守備で重複するが、DHとの使い分けで対応できそうだ。

 残留を望むオリックスと李大浩は10日に交渉を行ったが、結論は出ていない。米大リーグも含めて移籍の可能性があり、ソフトバンクは慎重に行方を見守っている。仮に正式オファーへ発展した場合、相手にとっても魅力的な要素は多い。

 1つは故郷の釜山まで航空機で1時間弱、高速船で3時間弱という福岡の立地だ。「韓国と近いのは魅力だ」と周囲に話しており、9月下旬、最後の福岡遠征には初めて家族も同行。“下見”した可能性も考えられる。またこだわりの背番号「10」も空いている。年俸2億5000万円からの上積みを求める条件面でも、ソフトバンクは資金力で他球団の引けを取らない。

 今月中はオリックスを優先して交渉するとみられ、アタックとなれば来月から。去就から目が離せない。