CSファイナルステージ第4戦(Kスタ宮城)は雨天中止となり、今日21日に順延された。

 降りしきる雨の中、仙台まで駆けつけたロッテファンの声援を受けると、伊東勤監督(51)は一息ついて言った。「何とかもう1度見せ場をつくって、マー君を引きずり出したいね。それをたたくのが俺の理想」。負ければジ・エンドの第4戦が悪天候で中止。「寿命が1日延びた」と笑いながら漏らしたのは、次戦必勝の強い決意だった。

 初戦で完封された田中にリベンジし、1勝3敗からの逆転日本シリーズ行きを決める。そのための“下克上ローテ”に雨はプラスに働くはずだ。先発は松永をスライドせず、第5戦に登板予定だった唐川を前倒し。そして松永と、前日19日に先発したばかりの古谷をブルペン待機させる。斉藤投手コーチは「もう敗戦処理は必要ないから」と、中継ぎに総力を注ぐ覚悟だ。

 松永は8月まで中継ぎで楽天戦10試合に登板。初対戦の4月5日に2失点(自責1)した以降は1点も与えておらず「中継ぎに戻る可能性もおとといから考えてました」と準備に余念はない。松永、古谷が控えることで先発も初回からとばせる。唐川は、5回まで無失点と好投したファーストステージの第3戦同様「チャンスが来た。結果を追い求めます」と燃えている。

 必勝態勢で1つ勝てば、あとは中4日で成瀬、グライシンガーと左右のエースが2度目の出番を待つ。勢いが勝敗を大きく左右する短期決戦。ここまで3戦連続で相手先発に9回を投げられ、伊東監督が「今、向こうにあるのは間違いない」と認めた“流れ”も、この雨がせき止めてくれた。

 1敗もできない崖っぷちからの下克上。「シーズン中は1カード3試合だし、いい中日(なかび)になった。あと3試合やるにはいいじゃないですか」。ワシに立ち向かうカモメの指揮官は、最終戦に持ち込む気満々だった。【鎌田良美】