おれが幕開けを告げる!

 「コナミ日本シリーズ2013」が26日、楽天の本拠地・Kスタ宮城で開幕する。今季の交流戦の楽天戦で2戦連続の先頭打者本塁打を放っている巨人長野久義外野手(28)が敵地で再び“幕開け弾”を打ち上げる。

 長野が楽天の出はなをひっぱたく。交流戦の記憶が鮮明に頭をよぎった。「今回も?

 たぶん打てないと思いますよ。そんな、そんな、無理ですよ…」。5月22日の楽天戦で田中の3球目を捉え、左翼席に先頭打者アーチを放り込んだ。今季、6被弾しか許していない好投手だけに、再現することは容易ではない。ただ、「追い込まれる前に打つ。対策はそれだけです」と、イメージはできている。

 敵地・Kスタ宮城の特徴も頭に入っている。台風27号が接近中で「もともと風が強い球場。寒さもありますからね」。外野はラッキーゾーンが新設されるなど特殊な構造になっている。「アメリカの球場みたいで、すごく雰囲気がいい。外野の形も独特。人工芝は、他の球場よりも跳ねる」と、守備面でも球場特性をインプット済み。2戦連続の先頭打者弾となった5月23日は、楽天松井の打球が外野フェンスとラバー部に挟まったが、冷静な判断でエンタイトル二塁打に阻止した経緯もある。24日は東京ドームで全体練習を行った。一部、非公開で綿密にサインプレーなどを確認。今日25日の公式練習を経て、いよいよ本番が待ち受ける。口癖のように「たまたまです」「まぐれです」を繰り返す、巨人不動の先頭打者。ポーカーフェースを貫く長野が、日本シリーズでも先制パンチで号砲を鳴らす。【為田聡史】