今季5位からの巻き返しをはかるオリックスがドタバタの秋季キャンプスタートだ。山本和作内野手(27)が、初日の選手集合から約30分でリタイアしてしまったのだ。

 ダウンしたタイミングが悪かった。練習開始前、ナインを右翼に集めて瀬戸山新球団本部長が訓示。続いて森脇監督が話しているときだった。山本が1人選手の輪から離れ、突然グラウンドに嘔吐(おうと)。顔は真っ青で、すぐに高知市内の病院へ行き、腸炎と診断された。点滴などの治療を受けて宿舎に戻り静養したが、まだまったく体を動かしていない段階でのリタイアとなった。

 野間チーフトレーナーは「程度は軽い。体調が回復すれば、2日は練習に参加できるかもしれません」と話した。しかし、森脇監督は厳しかった。「2日、もしダメなら(神戸へ)返します。経費のムダですから」と強制送還も示唆。日頃から「準備」の重要性を説くだけに、来季へ向けて新たなスタートをする節目で、体調を崩しての離脱におかんむりだった。

 山本は育成選手出身で、巨人から移籍した今季、1軍デビューし96試合に出場した苦労人。今キャンプでは内野手は4人だけの参加で、少数精鋭の1人に選ばれた期待の選手。山本にとってはさんざんな初日となった。