DeNAが4日、今季国内フリーエージェント(FA)権を取得した阪神久保康友投手(33)が権利を行使した場合、獲得に向け調査に乗り出すことが分かった。最重要課題である先発陣強化のため、リストアップした模様だ。

 今季はブランコ、モーガンが加入した打線を前面に押し出し、打ち勝つ野球で6年ぶりに最下位を脱出。リーグトップの630得点を挙げ、シーズン終盤までCS争いに加わった。しかし一方で、チーム防御率はリーグワーストの4・50。開幕から先発ローテーションを守ったのはベテラン三浦のみで、ルーキーの三嶋と井納、3年目須田の成長はあったものの、近年の課題である投手力強化は解消されていない。

 久保は今季、リリーフとして44試合に登板し3勝(4敗)を挙げ、防御率2・85。9月26日の対戦(甲子園)では球威ある直球に、キレのあるスライダー、フォークを交え、3回をパーフェクトに封じられた。試合後の中畑監督も「完璧な投球をされたね。直球も走っていたし、あれなら頭(先発)でもいける雰囲気があった」と舌を巻く内容だった。今シーズンは先発登板はなかったが、球団も10年から3年間で65試合に先発した力は、まだ健在と評価している可能性が高い。

 ただ、久保はFA権行使の意思を表明していないことから、宣言するまでは静観する構え。今後の動向を注視していく。

 ◆久保康友(くぼ・やすとも)1980年(昭55)8月6日、奈良県橿原市生まれ。関大一では98年センバツ決勝で横浜・松坂と投げ合い準優勝。同年夏は甲子園8強。松下電器に進み「松坂世代最後の大物」と呼ばれる。04年ドラフト自由枠でロッテ入団。05年は10勝3敗で新人王獲得。181センチ、76キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億2000万円。家族は夫人と1男。