メジャー流出危機にあった阪神ランディ・メッセンジャー投手(32)が残留濃厚になっていることが6日、分かった。球団幹部は「まだ合意していないが、その方向で進んでいる」と明かした。

 来日4年目の今季、開幕投手を務めて3年連続2桁勝利となるチーム最多12勝をマーク。セ・リーグ奪三振王にも輝いた。交渉が順調ならば、来季も頼もしい大黒柱が健在となる。

 日本で実績を積み上げる右腕に、シーズン中からメジャー数球団が注目していた。本人も10月16日の帰国時に「どんなチャンスがあるのか見てみたい」と意欲。関係者によれば獲得に熱心なツインズはじめ数球団からオファーが届くが、いずれも1年契約の模様だ。

 一方で阪神はメッセンジャーが重視する「複数年契約」を尊重。シーズン終盤にメジャー流出危機を知った幹部が緊急で対応した。推定年俸150万ドル(1億5000万円)からの大幅アップとともに、異例となる3年の長期契約を提示している模様だ。在籍7年、35歳までを保証する方針で残留を迫っている。

 メッセンジャー側は米球界からのオファーを15日まで待つ構え。メジャー関係者は「米国でも決して評価は低くない。先発5~6番手を期待する球団はある」と話す。ただ、メジャーではエースクラスの去就から決まっていくため、約1週間後のリミットまで好条件が舞い込む可能性は低い。鳥谷だけでなく、海の向こうからも、虎にいい知らせが届いた。