バラ色のオフの始まりだ。プロ1年目から10勝した阪神藤浪晋太郎投手(19)が23日、甲子園でのファン感謝デーで「ご褒美の山」に埋もれた。各賞そうなめの受賞ラッシュ。「和田監督フレッシュ大賞」の賞金1000万円を独占し、高級外車メルセデス・ベンツ(Cクラス)まで贈られた。ボーナスだけでお腹いっぱいだが、推定1500万円の年俸大幅アップも確実。ビッグ報酬のルーキーを虎ファンも祝福した。

 勤労感謝の祝日に、労働者のみなさまも「うらやまし~」とうなるしかない。契約更改を前に、大きな大きなボーナスだ。ファン感謝デー。表彰コーナーで藤浪の名前が呼ばれる度に、約3万9000人の虎党で埋め尽くされた甲子園は拍手喝采だ。働き者の19歳右腕はスタンドに応えるように何度も手を挙げて壇上に上がった。

 賞金総額1000万円の「和田監督フレッシュ大賞」を、史上初の独り占めだ。例年、複数選手で山分けしていた高額賞金。1人でつかんだ藤浪はピンとこないぐらいの大金にも「大事にしたいです。無理に使うこともないですし」と慎重な様子。計画的に貯金するようだ。

 さらに高級外車の代名詞、ベンツのオーナーにもなった。さっそく後部座席に試乗し甲子園ミニパレード。スタンドのファンに笑顔で手を振りながら乗り心地を確かめた。「背が高いので自分には狭かったです」と苦笑い。197センチの長身が邪魔をしてしまったようだが、初めての「マイカー」がうれしくないはずはない。

 「ありがたいこと。僕は車に乗れないので、両親にあげたいと思います」

 実はまだ自動車免許を持っていない。高知・安芸での秋季キャンプから帰ってくると、ようやく自動車教習所に通いだした。球団の内規では高卒3年目のオフになるまで自動車の所有自体が認められていない。シルバーメタリックの高級フォルムはそのまま実家へ。ベンツ所有の「ステータス」をかみしめた。

 空前の表彰ラッシュも当然の働きだった。1年目から先発ローテーションを守って2桁勝利。高卒新人では史上初のクライマックスシリーズ初戦先発も果たした。来季は早くも開幕投手の候補に挙がる。秋季キャンプでは三塁方向に左足が踏み出すインステップの改善にも取り組んだ。進化の止まらない若き右腕の来季年俸は、さて、推定1500万円からどこまで上がるのか。3万9000人ファンに囲まれながら、バラ色のオフを体感した。【宮崎えり子】

 ◆フレッシュ大賞

 08年オフに就任した真弓監督が、若手の成長を期待して制定。頭文字から「M-1グランプリ」と銘打ち、本家の漫才グランプリと同等の賞金1000万円を用意した。30歳以下、年俸3000万円以下などの資格から対象選手を絞り、首脳陣が選出。09年の第1回は能見と狩野など、これまでは複数選手が選ばれて賞金は山分けだった。