ロッテ古谷拓哉投手(32)が今オフ、千葉市科学館(千葉市中央区)の一日館長を務めることが29日、分かった。雑誌「ニュートン」を愛読し、「宇宙の起源」を最大の関心とする科学系左腕に、オファーが届いた。12月8日を予定している。くしくもこの日、「世紀の彗星(すいせい)」と注目を集めたアイソン彗星が、太陽の熱によって蒸発した可能性が浮上。球界では異例の科学館館長のプランは、蒸発しないよね?

 6月26日のオリックス戦。今季初登板は、あと1死でノーヒットノーランというプロ初完投で初完封。まさに、彗星のごとく現れたロッテの救世主は、シーズン通して輝き続け、チームトップの9勝をマークした。そんな男が、地元のタウン誌のインタビューで「今、気になっているのは、宇宙の起源ですね」なんて話せば、科学館も黙ってはいない。球団関係者をして「一日警察署長や駅長はあっても、科学館は球界初でしょう」と、うならせるオファーが飛び込んだ。

 「科学館に勤めるのは子供の時の夢の1つだった」と快諾。当日はプラネタリウム鑑賞や、月の重力を疑似体験できるアトラクションや、宇宙について熱く語るトークショーを予定している。古谷は「科学館は大好きです。プラネタリウムはたまらなく好きです。宇宙はなぜ出来たのか。いったいどういう構造なのか?

 考えたら止まらなくなってしまうぐらい興味があります。今回はこのような名誉ある機会をいただき、本当にうれしく思います」とノリノリだ。

 この日は千葉県内で選手会ゴルフを楽しんだ古谷だが、話題のアイソン彗星についての質問に「残念でなりません」と、ふさぎ込んだ。「秋季キャンプのころから気になっていました。燃え尽きてしまうのではと、気が気じゃなかった。どうしても肉眼で見たかった」と無念そう。サイエンス左腕にとって夢にまで見た科学館館長。こんなオファーがホシかったはずだ。【金子航】