楽天田中将大投手(25)が大みそかに行われるNHK紅白歌合戦の審査員にノミネートされていることが29日、分かった。その年に各界で活躍した人が審査員を務めることが多いが、開幕24連勝でリーグ優勝&日本一に貢献した田中が野球界の顔として選ばれた。ファンと公言するアイドルグループ「ももいろクローバーZ」も出場。フル回転した1年間の疲れを癒やすひとときとなりそうだ。

 1年を締める番組には、やはりマー君がふさわしかった。今季の田中は、開幕24連勝でリーグ優勝の胴上げ投手。さらに、CS、日本シリーズでも胴上げ投手となり、創設9年目を迎えた楽天に初の栄冠をもたらした。東北にとどまらず、全国の野球ファンに明るい話題を届けた。紅白の審査員に最適と考えたNHKは、楽天側に打診。オフは表彰式などのイベントで大忙しの田中だが、大みそかはフリーだという。同局関係者は「ほぼ内定です」と、見通しを口にした。

 田中が紅白の審査員を務めるのは、2年ぶり2度目となる。11年の紅白では、東日本大震災からの復興を願う東北応援企画が実施された。東北の球団代表として、その年19勝と活躍した田中が初めて審査員に選ばれた。2年前を上回る成績を残し、さらにチームが日本一となった今年、再び審査員に選ばれるのは自然な流れと言える。

 田中にとっても、ホッとできる時間となりそうだ。ライブにもたびたび足を運ぶ、ももいろクローバーZが出演する。他にも、AKB48、SKE48に加え、今年はNMB48が初出場。例年以上にアイドルグループがそろう。アイドルファンの田中にとって、ステージ間近の審査員席は、まさに特等席。シーズンを通してフル回転したエースには、癒やしのひとときとなる。

 ポスティングシステム(入札制度)の行方が不透明なままで、メジャー挑戦について、何も発言できない日々が続く。公の場に出ても表情は硬いことが多い。ただ、この日は宮城で楽天の選手会ゴルフコンペに参加し「楽しかったです。こうやって集まって、みんなでゴルフをやると、またこの時期がきたんだなと思います」とリラックスした様子だった。

 1カ月後の大みそか、来季去就がどうなっているかは分からないが、年の瀬のお茶の間にマー君の笑顔が届けられる。