プロ野球の日本ハムが本拠地を置く札幌ドームの命名権(ネーミングライツ)売却を目指すことが1日、明らかになった。来季終了後に大型ビジョンを一新するなど10年間規模の改修計画をスタートするが、その費用に充てることが狙い。所有者の札幌市が主導で実施した11年に2度、公募したが企業側との折り合いがつかずに断念していた。今回はアプローチ法を刷新して臨む見込み。メーン使用者の球団、また球場側と意見交換しながら、初めて連動して「三位一体」で売却先を公募するプランを画策しているようだ。

 周辺の近い関係者によれば球団と球場、市側で協力してネーミングライツを実施することですでに合意に達しているという。既に大枠は固まっているようで、現状では3者で細部を詰めている段階に突入している。前回の2度は市側が陣頭指揮を執ったが5年25億円などハードルの高い条件設定もあり、頓挫していた。その反省を踏まえてブランド力のある球団、またコンサートなど各種イベント誘致などで民間への多岐にわたるパイプを有する球場側と提携。条件見直し、売却先選択の基準など意思疎通を図り、成就させたいようだ。

 改修費は総額で90億円~100億円を見込んでおり、早期に安定財源を確保する必要がある。年数と金額など概要が固まれば、早ければ年明けにも一般公募の可能性がある。失敗した2度とは違い、球団、球場側の働き掛けなどで乗り出す企業が現れることも予想され、動向が注目される。