育成からはい上がった。巨人山口鉄也投手(30)が4日、東京・大手町の球団事務所で契約更改し、8000万円増の3億2000万円(推定)でサインした。育成出身選手の3億円到達も初めてならば、中継ぎ投手としても史上最高年俸。6年連続60試合登板を誇る鉄腕の価値が認められた。「高く評価していただいて、うれしいです」と頬を緩めた。

 最強中継ぎユニット「スコット鉄太朗」の一員であることに誇りを持っている。「マシソンも西村もすごい安定感で、自分も間の役割を必死に果たした」。来季のブルペンの陣容は未定だが、山口はやる気だ。「先発投手がしっかりしているから、自分たち3人が投げるのは減るかなとも思うけど、もしそうなったら3人で力を合わせて勝利に導いていきたい」。3人の年俸は合計で約4億円から6億5000万円にアップした。MVP級の活躍の成果。山口はその中心にいる。

 ▼山口が3億2000万円で契約を更改。年俸3億円に到達した投手は19人目で、リリーフでは98年佐々木(横浜)06年岩瀬(中日)09年藤川(阪神)に次いで4人目。岩瀬、藤川はセットアッパーから抑え転向後に3億円の大台に乗せており、セットアッパーで到達は初。育成で入団した山口の1年目は240万円。1年目の133倍となり、イチロー(オリックス)の123倍(430万円→5億3000万円)を抜いた。