トリプルスリーへの道は「トリプル・ベジタブル」から-。ソフトバンク柳田悠岐外野手(25)が8日、福岡・久留米市内でユニセフのチャリティーイベントにゲスト参加した。来季は過去8人だけが達成している打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を目指すと宣言。バランスのいい体作りのため1日3食とも野菜を食べるという珍目標も掲げた。

 やや恐縮しながらのトリプルスリー“宣言”だった。百貨店屋上ステージで行われた募金イベント。伸び盛りのイケメン野手を目当てに、女性を中心の多くのファンが集まった。視線が注がれた○×形式のトークショーで、司会者から「秋山監督も意識して、来年は3割、30発、30盗塁を目指しますか」との質問に、柳田はちょっと考えてマルの札を上げた。

 「打率は思ったより打てたけど、まだ全然だめ。もっと向上心を持ってやりたい。盗塁も開幕くらいの時はどんどんいけたが、最初に離脱して消極的になってしまったんで」

 今季は打率2割9分5厘、11本塁打、10盗塁、41打点。3年目でいずれも自己最高だった。強力打線の4番も10試合任された。ただ、5月には発熱で10日間の登録抹消。6月下旬には右肩負傷で3週間離脱した。昨オフに掲げた「トリプル2・5」の目標は未達成で終わった。

 故障知らずの肉体を作ろうとトレーニングに励んでいるが、同時に食生活も改善を図る。1年前から1人暮らしを始め、ほぼ外食。「野菜をもっと食べようと思う。どうしても偏ってしまうので。野菜は頼んだだけで満足してしまうタイプなんです…。1日3回食べます。残さない。1年間続ければ、だいぶ変わってくると思う」。野菜を摂取すれば内臓の維持、ストレス抑制などメリットは多い。球団初のトリプルスリーのためでもある。

 年明けには、静岡・浜松で目標とするオリックス糸井と初の合同自主トレ。「トップの位置を早く作れと(打撃コーチの)藤本さんにオフの課題として言われた。糸井さんは僕より早いので聞いてみたい」。浜松と言えばうなぎが有名だが「うなぎより野菜!」と言い切った。ベジタブルたっぷりの食生活で、ワンダフルな4年目にする。【大池和幸】

 ◆過去のトリプルスリー達成者

 50年に岩本義行(松竹)別当薫(毎日)が達成。以後は53年中西太(西鉄)83年簑田浩二(阪急)89年秋山幸二(西武)95年野村謙二郎(広島)00年金本知憲(広島)02年松井稼頭央(西武)が達成した。