V奪回へ中日が戦闘服も大刷新だ。新人8選手の入団発表が9日、名古屋市内で行われ、来季本拠地用の新ユニホームがお披露目された。落合博満GM(60)の提案で、唯一リーグ優勝&日本一を勝ち取った54年(昭29)モデルを採用。胸のロゴや帽子は限りなく黒に近い鉄紺で“ブラックドラゴンズ”に様変わりした印象だ。また背番号も大量13選手が変更。打倒巨人へ最強の衣替えが完了だ。

 ドラ1鈴木翔太投手(18=聖隷クリストファー)ら新人8人が、ホーム用新ユニホームのモデルになった。さっそうと羽織った上着に驚きの声が上がった。えっ、ブラックドラゴンズ!?

 白地は同じだが、帽子と胸の「Dragons」はどう見ても黒。長年親しまれたドラゴンズブルーも、高木前監督が好んだ赤の縁取りもない。2年ぶりの衣替えはこの日、還暦を迎えた落合GMの提案だった。

 「ドラゴンズが一番強かったシーズンのユニホームに変えようじゃないか!」。落合GMが生まれた翌54年(昭29)、天知俊一監督率いる中日は初のリーグ優勝。日本シリーズでも三原脩監督の西鉄を倒して日本一を勝ち取った。落合監督時代の07年にはその時以来の日本一になったが、リーグ戦2位だった。

 黒は相手に威圧感を与える効果もある。実際は黒ではなく「限りなく黒に近い鉄紺」と高畠営業部長は説明したが、見た目は黒。ビジター用も54年当時を再現し、グレー地に「CHUNICHI」のブラックドラゴンズにする予定だ。実際、10年8月のセ・リーグ「オールドユニホームシリーズ」でも着用し、その年優勝した縁起物でもある。唯一、当時「C」だった帽子のロゴは、白井オーナーのこだわりで「CD」に変えるが、谷繁兼任監督も「これを着て頑張ろうという気持ちになった」と表情を引き締めた。

 改革は背中にも及んだ。落合GMが異例とも言える大量13人背番号の大シャッフルを敢行。高橋周の9や平田の6など昇格組と、伊藤の18など剥奪組で明暗が分かれた。西山球団代表は「番号が若くなった人は期待を込めて、重くなった人は奮起を願って」と説明。契約更改同様、こちらも信賞必罰の嵐だ。すべては強竜復活を願っての戦闘服改革。打倒巨人へ準備にぬかりはない。【松井清員】