どうぞ、打って!

 ソフトバンク森福允彦投手(27)が今季被弾した日本ハム中田に得意ゾーンへの投球を予告した。15日、福岡・福津市で中田、ロッテ角中と野球教室に登場した。デモンストレーションでも左翼席へアーチを浴び、ひらめいた。

 「内角の強さを感じますね。でも好きなコースに来ると打ちに来るし、そこで曲げるとバットの芯を外れて打ち取れる」。具体的な「倍返し」攻略イメージを浮かべた。

 7月4日の対戦で中田に2ランを初被弾した。「外が苦手というのがあるので」と外角の出し入れで仕留めるはずが、やや甘くなったスライダーを左翼に運ばれた。今春WBCで共闘した後輩から前日に「打ちますから」と予告されただけに「有言実行されるのが一番イヤ」と忘れられない。そこで発想の転換だ。「あえて好きなところに投げてくる投手はいないでしょうしね」。中田の“スイートスポット”である内角で打ち気を誘う。指先で小さな変化を加え、凡打を引き出すわけだ。

 2年前の中日との日本シリーズ第4戦。1点リードの6回無死満塁に救援した森福は右打者3人を打ち取った。2人目の平田を左飛に仕留めた場面を、ふと思いだした。「あそこも内角が好きな打者を内角スライダーで詰まらせた」。後に「森福の11球」と語られた快投が、中田に倍返しするヒントになりそうだ。

 日本ハムからFAした鶴岡の加入も「かなり力強い」と味方にするつもり。そもそも発言自体がブラフである可能性もある。「来年はいろいろ変えていかないと」。交流はあってもグラウンドで負けられない。早くも心理戦を仕掛けたようだ。【押谷謙爾】