ダルビッシュ化に強い味方が現れたさ~。体重増を目指す阪神藤浪晋太郎投手(19)に、沖縄・宜野座での春季キャンプで沖縄名産「島バナナ」がプレゼントされることが20日、分かった。「JAおきなわ読谷ゆんた市場」が、間食にはもってこいの高級バナナ提供を名乗り出た。オフに取り組む1日6食をキャンプも継続すれば、藤浪は滑らない完璧ボディーに近づける。

 ざわわ、ざわわ…。沖縄の風に吹かれて、藤浪のボディーが強大になる。1年目から10勝した黄金ルーキーは今オフ、約90キロの体重の大幅アップを狙い、1日6食プロジェクトを実施している。朝昼晩にそれぞれ間食をはさむ食トレ。シーズン中は体重維持のために詰め込んでいたが、目的を変えて継続中だ。

 「具体的にどこまでというのは考えてないですけど、増えればいいと思う。上半身も下半身もまんべんなくですね。脂肪を増やしても意味ないので」

 大阪桐蔭時代から例えられたダルビッシュは大リーガーになるまでに、強く太くビルドアップしていった。ダルビッシュ路線を進む藤浪に「JAおきなわ読谷ゆんた市場」がサポートを約束した。沖縄・宜野座キャンプでも1日6食を継続してもらい、さらに栄養価の高い食材を食べてもらおうというのだ。

 特に現実味を帯びてきたのが、沖縄に自生している「島ばなな」のプレゼントだ。担当者は「藤浪選手はもちろん知っています。ぜひ食べてもらいたい。熟してから食べるので甘さも違います」とノリノリだ。

 島バナナは通常の台湾バナナに比べて約3分の1程度の大きさながら値段は約3倍という“高級食材”だ。甘みが強く栄養価も高い。風に弱く皮が薄いため、本州への出荷が難しい「レアもの」。食べ頃は12月中旬から2月初旬まで。キャンプ時期にもピッタリで、沖縄ならではの食材が楽しみながらの増量をサポートする。

 バナナの手も借りたい?

 藤浪のムキムキ計画は順調に進行中だ。この日行われたこのオフ2回目の体力測定でも数値を伸ばした。権田トレーナーは「相変わらずトップクラス。あれだけの身長があれば、体重はもっとあっても大丈夫。(増量は)いいことですね」と背中を押した。より強く、たくましく。抜群の身体能力で2年目のジンクスを吹っ飛ばす。

 2年目は先発の柱として期待がかかる。オフはトレーナーから渡されたメニューを中心に体を動かす。シーズン終盤に調子を落とした反省から始まった増量作戦。島バナナを胃袋に投入し、藤浪が一皮むける。【池本泰尚】

 ◆島バナナ

 沖縄に自生するバナナの一種。一般に売られている台湾バナナと比べると甘みが強く、栄養価も高いと言われる。小ぶりで熟すと皮が薄くなり、はじけることもある。実が熟してから収穫するため、出荷が難しく、流通ルートもほとんど確立されていない。沖縄以外で食べることはきわめて困難。12月から2月初旬が食べごろで、1房400円ほど。

 ◆藤浪オフの食生活

 兵庫・西宮の独身寮「虎風荘」で1日6食を摂取している。朝、昼前、昼、夕飯前、夕、深夜のローテーションで、空腹の時間をつくらないようにしている。朝昼夕以外は軽食で、エネルギーに変わるおにぎりやプロテイン、バナナなどが中心のメニュー。

 ◆ダルビッシュの肉体改造

 レンジャーズ・ダルビッシュが東北から日本ハムに入団した時は195センチ、85キロ。プロ2年目から肉体改造をスタートさせ、7年目の11年開幕前には前年比10キロ増の98キロ。阪神金本が拠点としていた広島市内のトレーニングジムに通うなど、パワーアップを図った。海を渡った12年にオールスターの会見で「変な固定観念に縛られすぎて野球が伸びていない。筋肉がついたら体が重くなるとか、訳の分からないことを言う人がいるから抜け出せない」と日本のトレーニング方法に疑問を呈した。