日本ハム栗山英樹監督(52)が「成績不振」から解任危機に陥る可能性が29日、浮上した。今季は最下位に沈み、来季が2年契約の最終2年目。ただ球団側が検討しているのは、現場指揮の本業ではなく今季低迷した、もう1つの大役だ。10月のドラフト会議で1位入札した選手を3回連続で外すという悲劇に直面した。球団幹部は「監督にこだわる必要はない」との考えを示唆。来年はクジを引く任務から解放する案が、早くも持ち上がっている。

 歴史は繰り返さない。栗山監督が、苦い思い出いっぱいの大一番で「代行」を送られる恐れが出てきた。発端はドラフトでの不運ぶり。まずは楽天1位の松井裕樹投手(18=桐光学園)に入札して5球団での争いに敗れ、続いて3球団、2球団と競合。今季最下位のため順番はすべて1番手で確実に当たりクジがある状況だったが、的中できず。いつも明るさ満点だが「さすがにしんどかった」と意気消沈する出来事だった。

 来年のドラフトは高校生では済美・安楽智大、前橋育英・高橋光成の2年生投手ら逸材がひしめくとされる。ひるまない積極戦略が持ち味の球団だけに、1位は同様に競合することが濃厚だ。楽天は球団社長が松井を、広島は担当スカウトで大瀬良を引き当てた。そのため人選は「今まであったような肩書の人は、おもしろくない」(球団幹部)と多岐にわたりそう。強運そうな女性広報ら画期的な候補も挙がっているもようだ。運命のドラフト。金の卵だけではなく、リベンジに燃える栗山監督の動向も気になってきた。【高山通史】