プロ野球の春季キャンプが1日、各地でスタートした。

 DeNA中畑清監督(60)が、キャンプ初日から禁断のノックバットを手にした。高田GMがブルペンへ向かうためグラウンドを離れた。その隙にノックバットを手にして、ブランコ、バルディリスらに130球。厳しい打球を打ち続けた。1月8日に頸椎(けいつい)ヘルニアの手術を受けてから、これが初ノック。中畑監督は「手術したこと忘れていたね」と、うれしそうに話した。

 GM不在の時間帯を狙ったのには理由がある。高田GMから「(中畑監督は)ダイビングさせる打球ばかり打ってはけが人が出る」と、キャンプでのノックを禁止されていた。そのため最初は「GMはいないよな」とおびえながら、正面付近の球を打っていた。だが、次第に打球は勢いを増し、際どい打球の連発。「気分が良くなっちゃって。明日もやっちゃいますよ~」とノリノリだった。

 ご満悦の中畑監督は初日のキャンプに「80点」の高得点を付けた。昨年はブランコのフリー打撃などが不満で「0点」と厳しい採点をしていた。だが、今年は、そのブランコが苦手の守備で、打球に食らいつき、何度もノックを要求してきた。三浦は投げ込みを終えると、すぐに若手の投球を視察するなどした。これらのことを評価し、高得点につながった。「トニー(ブランコ)がどんどん向かってきて、びっくりしたよ。動きもきびきびしてて、心強かった」と絶賛した。

 「どの選手も1球に対する気持ちが伝わってきた。合格点です」と評す。就任3年目にして手応えを感じ、なりふり構わないキヨシ劇場がスタートを切った。【細江純平】

 ◆過去の初日キャンプ

 就任1年目はユニホーム姿に一体感を感じた。さらに活気ある雰囲気で練習ができたと評し「120点」の高得点。だが、昨年は「元気もなし、打球音もなし」と選手の姿勢に激怒し、辛口の「0点」と真逆の初日となった。