梅ちゃん大抜てき-。阪神ドラフト4位梅野隆太郎捕手(22=福岡大)の2・11デビューが確実となった。第1クールでは攻守ともに首脳陣へ存在感をアピール。和田監督は「早く実戦でピッチャー相手に見てみたい」と目を輝かせた。9日のシート打撃を経て、11日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)でスタメンマスクとなる見込みだ。

 「これからはゲームになるので、覚えることはたくさんある。自分のペースをつかみながら、1日1日やっていきたい」

 第2クールを前に足もとを見つめた梅野と対照的に、周囲の評価はうなぎのぼりだ。3日のフリー打撃では15本の柵越えを披露。和田監督は「おかわりくんみたいだ」と西武の主砲中村の名前になぞらえた。翌4日に視察で訪れた侍ジャパン小久保監督も「この先が楽しみ」と絶賛。打つだけでなく、捕手としてもエース能見が「投げやすい」と太鼓判を押した。11日のスタメンマスクは当初、清水や小宮山の名前も挙がったが、ルーキーに白羽の矢が立ちそうだ。とにかく早く見たい-。梅野のプレーが首脳陣の心を動かした。

 キャンプ初の休日だったこの日、沖縄・読谷村で沖縄空手を体験した。相手の攻撃をかわして素早く反撃する練習では「下がったら何もできないよ」と先生の声が飛んだ。約30分の入門を終えると「引いていいことはない。前向きに攻める姿勢は大事だと思う」と空手からもヒントを得た。

 5日にはベテラン藤井がインフルエンザでダウンした。暗雲立ちこめる中、捕手最年少がチームに光を差し込む。【松本航】