日本ハムの新外国人ルイス・メンドーサ投手(30=ロイヤルズ)が自滅連発の試運転で、不安を露呈した。25日、韓国・KIAとの練習試合(名護)で先発。3回に三塁への偽投からボークを取られて先制点を献上してから大乱調。4回7安打3四死球、6失点と大荒れだった。初実戦の18日韓国・サムスン戦でも3回6安打で2戦連続の背信の内容。今季の先発陣の目玉に、やや暗雲が漂ってきた。

 メンドーサが、まゆをひそめた。首をかしげて球審の元へ歩み寄った。3回2死満塁。三塁へ偽投を試みたが、ボークをとられた。今季からのルール改正のトラップにはまった。直後に2点二塁打も許し、この回3失点。4回にも計4安打で3失点し本領発揮できず、降板した。「いい勉強になったよ」と明るく笑い飛ばしたが、来日2戦で計13安打。また不安をぬぐえなかった。

 明らかなミスだった。大リーグでは昨季から三塁偽投は禁止。免疫はあるはずだが、犯してしまった。さらにこの日は3四死球と制球も乱れた。球速も、最速144キロ止まり。「これから、どんどん日本の野球に慣れていこうと思う」。持ち前のポジティブ思考で前向きにとらえたが、周囲を納得させられなかった。

 順調に調整を続けてきたが、思わぬ落とし穴にはまった。「100%のところに近いね」と笑顔でアピールも、結果は伴わず。異国での生活にも慣れ、日本食にも順応している。大好物は焼き肉。「牛1頭は食べられるよ」とジョークを飛ばすほど目がない。抜群の適応力を野球にも生かすつもりが、沖縄ラスト登板はほろ苦かった。

 メジャー通算16勝と実績は十分。この日の結果に栗山監督は「良いところも悪いところもある」とサラリと流すほど、期待を寄せている。次回は札幌ドームでの“今季初戦”の3月4日巨人戦で先発予定。助っ人右腕は「日本の審判の特徴も分かったよ」と早くもやる気満々だ。先発陣期待の新戦力が新本拠地で、挽回(ばんかい)を期す。【田中彩友美】