しゃべりのフォームも改善を目指す。楽天のドラフト1位松井裕樹投手(18=桐光学園)が3日、都内で行われた新人研修会に参加。12球団91選手の前で元ニッポン放送アナウンサー深沢弘氏(78)から模擬インタビューを受けた。約1700試合を実況したベテランアナからしゃべる速度と口の開きの小ささを指摘され、改善を宣言した。

 高校時代からフラッシュを浴び続けてきた松井裕は堂々と、よどみなく答えた。「キャンプはどうでした?」と聞かれると「高校の時と比べて細かい部分を指導されたので、有意義な時間でした。レベルが高く、バッティングピッチャーをした時もコースにいかないと、打たれてしまう」と満点の回答をした。

 これには、巨人長嶋終身名誉監督の引退試合を実況した伝説のアナも「例年に比べたら圧倒的に良かった。(ヤンキース)田中は何を言っているか分からなかったもの。松井君はしゃべっている顔が明るい。彼はモテるね」と絶賛。しかし、気になる点を注意された。

 深沢アナ

 テレビを見ていてもしゃべりが速い。口の開きが小さいので(言葉が)すべるように出る。君のボールほど速くなくていいんだよ。

 マウンドでは剛速球を求められるが、インタビューではゆっくりした言葉。思わぬ指摘に、照れくさそうに顔をかいた。そしてその場で「あいうえお」の発声練習。どれだけいい内容の話をしても、きちんと発声しなければ伝わらない。“愛のダメ出し”だった。

 研修後、「口の開きとか意識したことはなかった。話すのが速いと言われたこともなかったし…。これから注意して話したいと思います」とポツリ。すぐさま「(声が)聞こえないようでしたら、言っていただければ」と報道陣に宣言し、早くも大声でゆっくりとしゃべることを意識した。

 目指すは開幕ローテーション入り。「ヒーローインタビューができるように1軍でやっていきたい」と意気込む。改善に取り組む投球フォームだけでなく、ファンを魅了する話術も磨いていく。【島根純】