日本ハムの開幕投手に決定している吉川光夫投手(25)に制球力の課題が残った。6日、教育リーグ・ヤクルト戦(戸田)に先発。4回1安打無失点も6四死球と乱れた。春季キャンプの実戦では封印してきた宝刀・スライダーを解禁。「全球種、うまく使いながら投げられた」と、本番モード全開で臨んだが、無失点に抑えるのが精いっぱいだった。

 風のように荒れた。2回1死一塁。四球を与えた直後だった。暴投で一塁走者は二塁へ進塁。さらに四球でピンチを広げた。何とか失点は防ぎ「0点で抑えられたのは良かった」と安堵(あんど)した。この日、周辺地域は風速8メートルを観測。左翼方向に強烈な突風が吹き荒れた。「この環境の中でも、自分の球を投げられなければいけない」と言い訳しなかったが、納得の投球にはほど遠かった。

 それでも悪条件の中で踏ん張った。「栗山監督が四球を出しても腕を振り続けることが大事と言っていた。それを信じるしかない」と怖がらずに、指揮官との約束を貫いた。結果を伝え聞いた栗山監督は「言い訳無用」と、さらなる進化を要求。今後も実戦を通して調整していく予定。吉川が大舞台に向けて、着実にステップアップしていく。【田中彩友美】