神宮の中心で、ヤクルトの「雄たけびルーキー」が開幕ローテ入りに向けて叫ぶ-。ヤクルトのドラフト3位秋吉亮投手(24=パナソニック)が今日18日、阪神との練習試合(神宮)に先発する。この試合は、耐震補強工事の影響で無観客試合となる。「静かなので残念ですね」との言葉とは裏腹に、表情はあまり残念そうには見えなかった。

 歓声のないマウンドは、秋吉には絶好のアピールの場ともいえる。沖縄・浦添の春季キャンプでは、米軍の新型輸送機「オスプレイ」のごう音を、リリース時の「うおりゃ!」などの雄たけびでかき消した。「力が入ると自然に出る」という叫びとともに放たれたキレのある球で首脳陣の視線を奪うと、11日ソフトバンク戦の4回1安打無失点で開幕ローテ候補に上り詰めた。

 そして最後のアピールチャンスが、音が反響しそうな無観客試合で巡ってきた。しかも神宮は「良いイメージの球場」。中央学院大4年の10年6月以来の登板となるが、高3夏に東東京大会で4強入りしており、多くの思い出が詰まる。「開幕まで2週間しかない。絶対に抑えないとローテに入れない。(雄たけびを)響かせます」。熱投で存在感を示し、開幕切符を手繰り寄せる。【浜本卓也】