ソフトバンク摂津正投手(31)が手応え十分の新スタイルで、連勝中の開幕マウンドに上がる。開幕前日の全体練習に参加し、自然体を貫いた。新球のカットボール、スライダーを交えて投球の幅を広げた今季、大役の指名は2月キャンプ中に受けた。勝てば球団史上初。日本時代のダルビッシュや松坂大輔も達成できなかった3年連続開幕星から、ホークスV奪回のシーズンが始まる。
開幕前日の心境を聞かれた摂津は、胸の内を素直に吐き出した。「すごく責任感と緊張感を感じている。3回目だが、やっぱり緊張するし、重要なマウンドになるんじゃないかと思う」。全体練習を終えると、投手で真っ先に球場から引き揚げた。
準備万全だ。帰りの車に乗り込む直前に言い切った。「今年はこれでいくというのはできた。シーズンに入ってダメだったところがあれば、こうしていこうという感じ」。自らのスタイルに限界が見えたと一念発起し、昨オフから肉体改造と新球マスターに取り組んだ。曲がりの小さな2球種を習得。駆使したオープン戦は3試合で15回3失点(自責は2)だった。
「オフからやってきたことは今のところ順調だし、結果も出ている。自信を持って臨みたい。シーズンに入って試合でどのくらい(新球の)効果があるか楽しみですね」
昨年はWBC出場選手の中で、1人だけ開幕投手を務めた。秋山監督から正式な通達があったのは開幕直前のこと。今年は早々と2月中旬の春季キャンプ中に告げられた。「そこを目指してやって来たし、そう言われたことで、さらにやってやろうという強い気持ちになった」。指揮官からの厚い信頼に、おとこ気を奮い立たせた。
開幕戦に3年続けて勝利投手になれば球団史上初。その話題には「あまり気にしないでやっていこうと思う」と苦笑いした。過去には阪急山田久志の5年連続勝利が最長。近年では日本ハム・ダルビッシュが3年連続で敗戦投手になった。独特の雰囲気がある開幕マウンドは、ハートの強さを誇示できる最高の舞台でもある。
「特に前日にやることはないですよ。脂っこいものを食べないとか、それくらい」。やってきたことを信じ、ただ自然体でボールを投げ込む。【大池和幸】
◆摂津の開幕戦
12年オリックス戦は腰の張りが出てシーズン前の最後の登板を回避。ぶっつけ本番だった。7回で2奪三振ながら打たせて取る投球で4安打1失点(自責0)。杉内、和田、ホールトンが抜ける中、初の開幕投手を終え「うれしいというより、ホッとしました」。昨年はWBC出場選手でただ1人、開幕戦に先発。「不安は正直ありました」と言いながらも楽天を6回3安打1失点と抑えた。
▼開幕投手として2年連続勝利投手となったソフトバンク投手は8人。別所昭(後に毅彦=47、48年)、柚木進(49、50年)、江藤正(51、52年)、杉浦忠(58、59年)、皆川睦男(67、68年)、山内新一(80、81年)、斉藤和巳(03、04年)、摂津正(12、13年)で、摂津が3年連続で先発勝利を記録すれば球団初。球界では09~11年涌井(西武)以来となる。



