<中日6-0広島>◇30日◇ナゴヤドーム

 さすがの勝負強さだ。中日小笠原道大内野手(40)が今季初安打&初打点をマークした。8回無死満塁の場面で打席に立ち、4球目の外角直球をフルスイング。あっさりとセンター前にはじき返し、ダメ押しの2点を加点した。これにはいつも表情を崩さない職人も「環境が変わって少しホッとした部分はある」と笑顔。それでも「これがスタート。浮かれてもいられない」とすぐに切り替えた。

 日本ハム時代以来となる8年ぶりのひげ姿で開幕を迎えたが、変わらないことがある。開幕日には試合開始が午後6時にもかかわらず、午前11時15分に球場入り。体幹トレーニングや股関節の強化など、自らが課したメニューを黙々と消化。この日もルーティンを崩すことなく約30分間、全体練習前に体を動かした。

 開幕から代打起用が続くが、集中力が途切れることはない。早いイニングから準備を始め、出番に備える。「勝ったことが一番。明後日(1日阪神戦)の試合も勝てるように準備します」。ナゴヤドームの打席登場曲にスキマスイッチの「全力少年」を使用している。「深い意味はない」と話すが、打席に立つ小笠原が全力であることは間違いない。【桝井聡】