<オリックス3-1日本ハム>◇15日◇京セラドーム大阪

 春満開は、まだ遠い。日本ハム栗山英樹監督(52)がジレンマをのぞかせた。重要な3連戦初戦を4カード連続で落とした。敗色濃厚な9回に1点を返したが、風穴も開けられないまま淡々と連勝が止まった。勝率5割へ戻った。「ズルズルいかないように一生懸命やっていかないといけないね」。腕組みし、険しい目で、自分に言い聞かせた。オリックス西に7回まで単打のみ散発3安打。3者凡退が4度では、打つ手なしだった。

 突き抜けるヒントを、みんなで探し回る日々だ。試合前。中田が動いた。英語は堪能ではないが、絶好調の相手主砲ペーニャへ突撃した。談笑ではなく、ヒアリングしたのは心得について。同じ4番として打席での思考を、オリックスの通訳を通じて尋ねた。返答は的確だった。「打てる球がこない時に、いかに我慢できるかが大事だ。今の君を見ていると打てそうもないボール球にも手を出しているんじゃないか」。

 授かった教えを守り即、実践した。4回1死一塁では厳しいコースを見逃しカウント2-2から左前打。西を追い詰める布石を打った。3点を追う、先頭打者の9回。守護神・平野佳から懸命に四球を選んだ。0封負けを免れるきっかけを作った。「金髪スラッガー」VS「ひげもじゃ助っ人」の誰も近づけない、ド迫力懇談の成果は出せた。中田は「いい形で勝ってきたので、カードの頭(初戦)をとれずに残念」と悔いた。乗り切れない現状。上位進出へ必須の大型連勝をゲットするため、全員必死の模索は続く。【高山通史】