<広島8-2阪神>◇17日◇マツダスタジアム

 広島の勝ち越しを、主砲のブラッド・エルドレッド内野手(33)が運んできた。チームの今季最多8得点につながる中押し、ダメ押しの3打点で先発バリントンを援護。チームは阪神との首位攻防戦に連勝し、14年ぶりの貯金6をマークした。

 2-0の3回。先頭の丸が右翼線を破る三塁打。「丸がチャンスをつくってくれたから、コンパクトなスイングで外野に打とうと思っていた」という打席で、阪神メッセンジャーの149キロ速球を中堅バックスクリーンに運んだ。思惑以上の5号2ランが、連勝を目指すチームに勢いを与えた。6-1の7回2死一塁ではダメ押しの中堅フェンス直撃二塁打。自身今季最多3打点で11打点とし、チーム3冠王に躍り出た。

 「カントリーはずっと好調だね」と喜んだのは野村監督。「気が優しくて力持ち」の意味で主砲をそう呼ぶ。今春キャンプ中も「タイミングをゆっくり取りなさい」など親身な助言を送ってきた。監督の深い信頼があり「打席で焦ることなく、打てる球を見極められる。外角の球を見逃すことで、相手はストライクゾーンで勝負せざるをえなくなる。その状況をつくれている」と言う。本拠地のお立ち台の記念品はスラィリー人形。「パパのホームランの記念だと娘たちが楽しみにしているんだ」と誇らしげに笑った。【堀まどか】