<楽天2-4日本ハム>◇20日◇コボスタ宮城

 日本ハム大谷翔平投手(19)が、デビューからの連勝を「5」に伸ばしチームの連敗を止めた。楽天戦に先発し、7回途中8安打2失点(自責0)で、2勝目を挙げた。6回2死一、二塁のピンチには、この日最速の154キロ直球で、ジョーンズを空振り三振に仕留め、直後の追加点へとつなげた。気迫満点の投球で「不敗神話」を継続した。

 感情をむき出しにした。1点リードの6回2死一、二塁のピンチ。大谷はジョーンズに真っ向からぶつかった。フルカウント、この日最速の154キロはバットをかすめることなくミットに吸い込まれた。グラブをたたいて雄たけび。「真っすぐでいける自信はあった。気持ちが入っていれば、打線も何とかしてくれる。僕も(打者のとき)そう思う」。連敗中のチームを鼓舞するため、魂を込めた。

 過去2戦で苦しんだ立ち上がりも難なくクリアした。1回は7球すべてストレート。「リズムよくいこう」。テンポを意識し、1、2回を3者凡退に抑えた。

 課題は7回。連打と四球で無死満塁のピンチを招いた。代打・嶋は空振り三振に仕留めたが、続く牧田の初球にサイン違い(捕逸)で失点。味方のミスも絡み、イニング途中で降板した。「投げきりたかったです。しっかりと引き締めていけば違った」。

 今季初登板は中11日、前回は中8日で、今回は中7日。登板間隔が一定ではないが、影響は見せない。厚沢投手コーチが明かす。「普通、投手は登板間隔があけば、肩が軽くなり、気持ちもフワフワして試合に入っていきにくいもの。でも翔平は違う。打者で出てアドレナリンも出ているだろうし、試合勘という部分でもまったく衰えがない」。打者での出場から数えれば中2日。「二刀流」が好循環を生み出している。

 次回登板は、通常のローテ投手と同じ中6日になる可能性が出てきた。栗山監督は「今日は内容的には前に進む感じ。火、水曜日の体の状態を見て」と、コンディション次第では次回も日曜日登板にするつもりでいる。大谷は「まだまだ手探りの状態ですけど、勝ちに貢献していきたいです」。打っては3割台後半のアベレージを残し、投げては3戦2勝。「二刀流」2年目が、軌道に乗ってきた。【本間翼】