<ヤクルト8-4中日>◇26日◇神宮

 中日大野雄大投手(25)の2軍落ちが決まった。ヤクルト戦に先発したが、いきなり連続四球など自滅して5失点。首脳陣の怒りを買い、わずか1回で降板。大野は試合途中で球場を離れ、名古屋へ戻された。5試合で0勝3敗。先発の軸となるべき左腕が出直しとなった。

 プロ最短1回KOの大野が、強制送還で2軍落ちとなった。制球が定まらず、先頭から6者連続出塁を許す3安打3四球で5失点。早々と勝敗を決めてしまった。

 2回表の攻撃が2死になった時、続投準備のキャッチボールを始めようとしたが首脳陣が却下。「申し訳ありません…」とわびたが、ベンチに残ることも許されなかった。試合途中で球場を離れ、新幹線で名古屋帰りを命じられた。

 森繁和ヘッドコーチ(59)はカンカンだった。「もう(東京に)いねえよ。帰らせた。いねえヤツの話をしても仕方ねえ!」。友利結投手コーチ(46)も突き放した。「あんな投球をされるとみんなの輪を乱して迷惑です。開幕宣言までした人。責任を取ってもらう」。期待されたエース候補に厳罰が下された。

 「僕が投げるつもり」と初の開幕投手を目指したオープン戦は絶好調だった。4試合18イニングで失点はわずか1。だが「開幕は川上」を察知したラスト登板から制球が不安定になり、打ち込まれた。それは開幕後も変わらず、これで勝ち星なしの5戦3敗。開幕投手を逃したショックをも引きずっているような投球だった。

 再び借金1となった谷繁元信兼任監督(43)も厳しい表情だった。「前回は無四球だったのにまた必要のない四球が出る。それが何なのか突き詰めてやらないと」。友利コーチも「どういう姿で帰ってくるか」と奮起を促した。代役には48歳山本昌、雄太らが挙がる。だが台所事情はより苦しくなった。V争い参戦へ背番号22の早い復活は不可欠だ。【松井清員】