<DeNA8-4阪神>◇27日◇横浜

 コーチの配置を「元サヤ」に戻して勝利を呼んだ。20日以来の勝利に、DeNA中畑清監督(60)は「ずいぶん勝ってない気がした。1つ勝つ難しさを感じた」と連敗を4で止め、ホッとした様子だった。

 攻撃中のベンチに打撃コーチを2人置く昨季の形に戻し、流れが変わった。打率、得点がリーグワースト。進藤打撃コーチが作戦面を任され、監督を補佐。一塁コーチだった小池打撃コーチを入れ、蓬莱(ほうらい)外野守備走塁コーチを一塁コーチに戻した。同監督は「(小池コーチが)ベンチの隅に立っているだけで落ち着いた。いるといないでは違う。12球団でうちだけじゃない?

 打撃コーチをコーチャーにしてたのは。やっと他の球団に追いついたね」。

 小池コーチは昨季まで現役だった強みを生かし、選手目線で後輩に指示を送った。データを基に、打者全員に配球やタイミングの取り方などをアドバイスした。1回2死満塁。変化球に弱く、強引に引っ張る傾向のあるバルディリスに、「(無理に)引っ張りすぎるな」と指示。期待に応え、先制3点適時二塁打など2安打4打点と、いきなり効果が出た。

 連敗脱出にもう一手打っていた。元気いい飛雄馬を初めて1軍に昇格させ、ムードーメーカー役を任せた。好調阪神に一矢報いた中畑監督は「勝てたっていうことが一番の成果じゃない。次のカードの頭(初戦)が大事」。今季初の連勝に向け、ホッとしている暇はない。【細江純平】